プロセス用光学式溶存二酸化炭素センサー
CO2NTROL RS485

 

従来の問題

従来の溶存二酸化炭素センサーはセベリングハウスの電極原理を用い測定しています。
それはpHと電気化学的DCO2を測定する機能を1つに組み合わせたもののため、その構造から測定誤差が発生しやすく、高い頻度で電解液交換、校正調整する必要がありました。
ハミルトン社は、これを根本的に解決するための新しい技術を採用しました。

問題を解決する技術 MIR光学式センサー

メンテナンスフリーの個体素子センサーであり、DCO2をMIR波長(中赤外線)とCO2拡散膜の組み合わせにより溶存二酸化炭素CO2を直接測定します。これにより従来にない高い信頼性と再現性の良い測定をインラインにて行えます。

センサー検知部概念図

Hamilton DOC2 Sensor CO2NTROL Concept Diagram

校正・保守

センサー本体は校正されて出荷されるため、滅菌後すぐにご使用いただけます。また交換部品がないため、二酸化炭素フリーガス及び100%二酸化炭素ガスによる二点校正・調整によりご使用いただけます。

寿命

従来のセベリングハウス電極と異なり消耗交換部品がありません。利用条件により変わりますが寿命は3年程度としています。

CO2NTROL RS485センサーは信頼性の高い測定値が得られることに加えて、コスト効率の高い測定方法を提供できます。

アプリケーション

光学式溶存二酸化炭素測定技術は、培養用途から広く二酸化炭素測定を必要とするプロセスにおける測定信頼性を従来になく向上し、また今まで困難であった測定領域を測定可能領域にしていきます。

仕様

使用温度範囲

-10〜140℃

二酸化炭素測定範囲

-10~60℃

60℃を越えた場合はその直前の測定値で出力保持をします。
温度がCO2測定温度範囲に戻りますと自動的にCO2測定を再開します。

プロセス圧力

-0.1~1.2MPa

測定レンジ・分解能

5~1000mbar

0.5~100%-vol.

7.5~1500mg/L

(液相、大気圧101.3kPa、25℃基準)

測定単位

二酸化炭素:mbar , mmHg , hPa , %-vol. , %-sat.

溶存二酸化炭素:μg/l(ppb) , mg/l(ppm)

精度

±5mbar (5~100mbar) , ±5% (>100mbar)

応答時間(気相)

0から95%-vol.応答時 約200秒

100%-vol.から5%-vol.応答時 約220秒

測定限界値

レンジ下限値

測定誤差

一週間あたりの変動幅

電気的接続規格

VP8

動作電源電圧

13~27VDC

消費電力

最大約1W

デジタルインターフェース

2線式RS-485

ModbusRTUプロトコル

洗浄滅菌性能

SIP、オートクレーブ、CIPに対応

測定原理

光学式非拡散赤外線方式

流量規定

無し

また本センサーは原理上、二酸化炭素の消費をしません

接液素材

ステンレス 1.4435

EPDM(エチレンポリエラストマー)

  FDA 21 CFR 177.2600

  EN ISO 10993-5 (USP<87>) USP<88> class VI (121℃)

シリコン

  FDA 21 CFR 177.2600

  EN ISO 10993- 5(USP<87>) USP<88> class VI (121℃)

表面仕上げ

Ra < 0.4μm (N5)

出荷時状態

校正済みです。取り付けと同時に測定可能

形状及び取り付け形状

シャフト直径:12mm、取り付けネジ PG13.5

シャフト長さ:120mm、160mm、225mm、325mm、425mmから選択

保護等級

IP68

保守部品

無し

劣化時はセンサー本体を交換

保管温度

0~45℃

認証

CEマーク

EMC: EN IEC61326-1:2013

Emission: Class B

Immunity: Industrial electromagnetic environment

EN IEC 63000:2018

UKAC

EMC regulation: Electromagnetic Compatibility Regulations 2016

RoHs regulation: The Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment Regulations 2012

耐薬品性

H2S、SO2、酸化エチレン、ガンマ滅菌は測定システムに影響を与えません。

エタノール、メタノール、H2O2による損傷はありません。

注意:塩素ガス、有機系溶剤はセンサーを傷めますので使用しないでください。

 

注意:仕様は改善のため予告無く変更される場合があります。検討の際は予めお問い合わせください。

外観図

Hamilton DOC2 Sensor CO2NTROL RS485 Drawing

モデル

A-長

P/N

CO2NTROL

120mm

10087810-11

160mm

10087810-12

225mm *

10087810-13

325mm

10087810-14

425mm

10087810-15

*可動式ホルダーの取り付けに対応するため、225mmの実際の長さは215mmになります。

消耗品はありません。センサー感度が低下した場合はセンサー交換となります。

応答特性グラフ

Hamilton DOC2 Sensor CO2NTROL RS485 Response Characteristic Graph

資料

CO2NTROL RS485 フライヤー

光学式二酸化炭素センサー CO2NTROL RS485 データシート

溶存二酸化炭素センサー 校正手順書

DCO2センサー校正キット(P/N:CECZ-001)

CO2NTROL 材料証明

CO2NTROL CEマーク認証 対応証明

ハミルトン 技術資料 培養と溶存二酸化炭素

ハミルトン 技術資料 現在の溶存二酸化炭素測定技術

技術資料 有機物の生物分解の状態監視 - 二酸化炭素と酸化還元電位 -

検証 水道水の溶存二酸化炭素と酸性処理による無機炭素の溶存二酸化炭素化の測定

デモ機をご用意しています

評価をご希望の際はお問い合わせください。

 

参考資料

海と二酸化炭素について

米国国立環境情報センター内Ocean Carbon and Acidification Data Systemには海水と二酸化炭素に関する最新の分析手法のハンドブックが用意されています。T&Cでは執筆者のUCSD アンドリュー・G・ディクソン教授より許可をいただき、以下のリンクを掲載しております。研究また学習の資料としてご活用ください。

Guide to Best Practices for Ocean CO2 Measurements

 

DCO2 溶存二酸化炭素について

遊離二酸化炭素と炭酸イオンの状態は溶液のpHにより変わります。pHが5より高いと炭酸イオンになります。本センサーは遊離二酸化炭素を対象に測定を行います。

出典

A Review of Effects of Carbon Dioxide on Microbial Growth and Food Quality.

J. Daniels, R. Krishnamurthi, S H. Rizvi, Published 1985 Chemistry, Medicine Journal of food protection